OpenAI DevDay現地レポ ドッツとGPT-6.1ソル発表
ポイント
- OpenAIはDevDay 2026で、常時稼働エージェント「dots(ドッツ)」を発表しました。事前にリークされていた「O」が名前を変えて登場した形です
- 新モデルGPT-6.1ソルは、上位モデルGPT-6 Astraに近い性能を、価格は5分の1で提供します。月500ドルの新プラン「Pro 500」や、応答が最大8倍速い「Ultrafast」も同時に発表されました
- 一方、本命とされていた次世代モデルGPT-6.1 Astraは、安全性のテストで基準に届かず公開が見送られました
24時間働くAI「dots」、正体はリークの「O」
日本時間9月30日午前2時、サンフランシスコで開かれたDevDay 2026の基調講演で、OpenAIは常時稼働のAIエージェント「dots」を発表しました。
普通のChatGPTは話しかけたときだけ答えますが、dotsは目標を渡しておくと、画面を閉じたあとも作業を続けます。それぞれのdotには専用のクラウドコンピューターとブラウザが割り当てられ、頭脳には現行の最上位モデルGPT-6 Astraが使われています。
つながるアプリは4000種類以上です。設定はパソコンの画面からしかできませんが、いったん作ると、スマートフォンのChatGPTアプリからも呼び出せます。
このエージェントは、このチャンネルが9月27日から追ってきたリーク「OpenAIの新エージェント「O」、9/29のDevDayで発表か」の答え合わせでもあります。
ChatGPTの設定に見つかった表示名「O」、Pro申込画面の「o, your always-on assistant」という文言は、名前こそ変わったものの、常時稼働のエージェントという中身はそのまま公式発表されました。
dotsは誰が使えるのか
今日から使えるのは、月100ドルのPro会員と、法人向けのBusiness Premium契約者です。1体目は追加料金なしで、会話の量も利用上限に数えられません。2体目以降は今後購入できるようになる予定です。
ただし、Pro会員としての無料枠は地域で差があります。EU加盟国とスイス、イギリスのPro会員は、今回の対象から外れています。
サム・アルトマンCEOはこの点について「(欧州は)時間がかかる手続きがあり、時にそれが予測しづらいほど長くなる」と述べたと伝えられています。企業・学校向けはベータ版で、管理者が有効にする必要があります。
話しかける方法も広がっています。ChatGPT本体に加えてSlackやTeams、音声通話から指示でき、アメリカのPro会員向けには、ショートメッセージで話しかけられる試験版も用意されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応プラン | Pro(100ドル)、Business Premium。1体目は無料 |
| 対象外の地域 | EU加盟国、スイス、イギリス(Pro会員) |
| 頭脳 | GPT-6 Astra |
| 連携アプリ | 4000種類以上 |
| 話しかける方法 | ChatGPT、Slack、Teams、音声通話、SMS(米国Proの試験版) |
GPT-6.1ソルは「5分の1の価格でAstra並み」を実現したか
もう1つの目玉が、新モデル「GPT-6.1ソル」です。1週間前に出たGPT-6ソルを短期間で改良したモデルで、プログラミングやパソコン操作、資料作りを得意とします。
料金は開発者向けで100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドルです。同じ文章を使い回す入力は100万トークンあたり0.1ドルで、標準価格から95%引きになります。GPT-6 Astraの標準価格と比べると、ちょうど5分の1の水準です。
科学系の作業を試すTerminal-Bench Scienceでは、1件あたりの費用がソルは5.47ドルでした。同じテストでAstraは23.80ドル、AnthropicのClaude Opus 5.5は23.21ドルかかっており、ソルは4分の1以下の費用で近い作業をこなした計算になります。
ただし、これは特定のタスクでの費用対効果の話です。第三者機関Artificial Analysisの総合指数では、Opus 5.5が58点、ソルが48点で、まだOpus 5.5が上回っています。
「Astra並みの賢さ」という打ち出し方は主にコーディングや長時間作業のベンチマークでの話で、総合力そのものが上位モデルを超えたわけではありません。
なお、ソルが使えるのは仕事用の「ChatGPT Work」とプログラミング用の「Codex」で、今のところ普通のチャット画面では使えません。
月500ドルの「Pro 500」と、値上がりするPro 200
リークにあった月500ドルの新プランも、名称を変えて登場しました。名前は「Pro Max」ではなく「Pro 500」です。使える量はPlusの25倍で、応答が最大8倍速い「Ultrafast」モードに対応する唯一のプランになります。
Ultrafastは、Codexで最大8倍(秒間300トークン)、開発者向けAPIでも最大6倍速くなる仕組みです。そのかわり、APIの料金は通常の6倍に上がります。まずはGPT-6 Astraで使え、GPT-6.1ソル版のUltrafastは近日公開予定とされています。
一方、募集を止めていた月200ドルの「Pro 200」は新規受付を再開しましたが、新しく入る人が使える量はPlusの20倍から10倍に半減しました。切り替わるのは10月30日からです。
今の契約者は10月29日まで20倍のまま使えます。その後は6万2500クレジット(OpenAIいわく約2500ドル相当、12月31日失効)が配られる仕組みです。
事前リークでは「Pro Max」という名前で報じていましたが、月500ドルという価格そのものは、当サイトの記事「OpenAI DevDayのリーク5つ 月500ドルの新プランも」で伝えていた内容と一致しました。
ChatGPTを「仕事の基盤」にする発表群
このほか、ChatGPTを個人の道具から仕事の基盤に広げる発表が相次ぎました。
チームとdotsが同じ資料を編集できる「ChatGPT Space」が登場し、その中では人とAIが共同編集する文書「Pages」を作れます。パワーポイントやGoogleスライドに書き出せる共同編集スライド機能も、数週間以内にPro・Business・Enterpriseの全プランに提供される予定です。
「Sign in with ChatGPT」では、NotionやVercelを含む16のサービスにChatGPTのアカウントでログインでき、そこでのAI利用分をChatGPTの契約枠でまかなえるようになりました。
開発者向けには、AmazonのAWS上でOpenAIのエージェントを丸ごと動かせる「Bedrock Managed Agents」も発表され、データはAWSの外に出ない設計だとされています。
企業向けには、会話の記録を残さない「Private Intelligence」の仕組みも紹介されました。アルトマンCEOによると、ChatGPTは今や毎週12億人が使っているといいます。
消えた本命、GPT-6.1アストラ
一方で、今回のDevDayに間に合わなかったのが、次世代の上位モデル「GPT-6.1 Astra」です。10月に公開予定でしたが、前日の9月28日に社内の安全テストで基準に届かず、公開見送りが報じられました。
24時間働くdotsを送り出した同じ週に、その頭脳の後継モデルが安全性を理由に止まったことになります。何が問題視されたのか、公表されている数値の内訳は「OpenAIが「GPT-6.1 Astra」を中止 テストで見えた数字の中身」で詳しく解説しています。
AIリーク情報局の見立て:画面から見つかった噂は、今回も当たった
DevDayの前に、当サイトは2本の記事で発表内容を予想していました。答え合わせをします。
「OpenAI DevDayのリーク5つ」で伝えた5項目のうち、常時稼働エージェント「O」はdotsとして、Ultrafastの対象拡大とManaged Agentsもほぼそのまま発表されました。月500ドルのプランも「Pro Max」ではなく「Pro 500」でしたが、価格の500ドルは的中しています。
「OpenAI、DevDayで20以上発表へ」で根拠が強いとした項目(O、Pro Max、開発者向けプラン、Ultrafast、BUSY Bar)は軒並み発表され、根拠が弱いとした専用端末は今回も出てきませんでした。GPT-6 Solの統合はGPT-6.1ソルという新モデルの形で実現しています。
この2本で繰り返し確認してきたとおり、OpenAIでは課金画面やアプリのコードから見つかったリークが、名前を変えつつも中身はそのまま発表される傾向があります。今回もその傾向どおりの結果でした。
次に注目したいのは、ソルのUltrafast版がいつ来るか、dotsの2体目の価格がいくらになるか、そしてGPT-6.1 Astraがいつ、どんな形で作り直されて出てくるかです。
dotsとGPT-6.1ソルに関する質問
dotsは無料版でも使えますか?
使えません。月100ドルのProプランか、法人向けのBusiness Premiumの契約が必要です。
1体目は追加料金がかかりませんが、無料版やPlus(月20ドル)は対象外です。
日本からdotsは使えますか?
対象外と発表されているのはEU加盟国、スイス、イギリスのPro会員で、日本はこのリストに入っていません。
ただし、企業・学校向けはベータ版で管理者の設定が必要なため、個人のPro会員としてすぐ使えるかどうかは今後の案内を確認するのが確実です。
GPT-6.1ソルは今のGPT-6ソルより必ず優れていますか?
作業の種類によります。
プログラミングや長時間の自動作業ではGPT-6ソルより高いスコアが出ていますが、第三者機関の総合評価ではAnthropicのClaude Opus 5.5がまだ上回っており、あらゆる作業で最上位というわけではありません。
GPT-6.1 Astraはいつ発表されますか?
現時点で新しい時期は示されていません。
OpenAIは元になったモデルを使って追加の学習をやり直す方針だけを示しています。詳しくは「OpenAIが「GPT-6.1 Astra」を中止 テストで見えた数字の中身」で解説しています。
Pro 200の契約者はどう変わりますか?
10月29日までは、これまでどおりPlusの20倍の量を使えます。
10月30日以降は新規契約者と同じ10倍に切り替わり、代わりに12月31日まで使える6万2500クレジット(約2500ドル相当)が付与されます。