リリース

Google「Nano Banana 2.1」、画像生成を半額で刷新

ポイント

  • Googleが2026年10月6日、画像生成AI「Nano Banana 2.1」を正式リリースしました。公式X(旧Twitter)で「前のモデル群を全面的に上回る」とアピールしています
  • 最大14枚の参照画像を1回でまとめて合成できるようになり、4人の人物と10個の物の見た目を保ったまま編集できます
  • 価格はAPI経由の利用で前モデルからおおむね半額になりました。一方で性能の数値はGoogle自身の社内評価によるもので、第三者による検証はまだ出ていません

14枚の写真を1枚にまとめる新機能

Nano Banana 2.1は、Googleの画像生成AI「Nano Banana」シリーズの最新版です。前身の「Nano Banana 2」から数えて1世代進んだ更新版として、2026年10月6日に発表されました。

公式Xでの発表では、改善点として4つが挙げられています。構図や配色などの視覚デザイン、画像の一部だけを直せるマスクベース編集、複数の画像をまたいで同じ人物やキャラクターの外見を保つ「被写体の一貫性」、そして光や質感がより自然に見える画像品質です。

このうち最も実用的だと注目されているのが、最大14枚の参照画像を一度に読み込める機能です。商品写真と人物写真を組み合わせて、1枚の広告ビジュアルを作るような使い方が想定されています。

これまでは複数の素材を組み合わせる作業を手作業でこなす必要がありましたが、その工程をAIに任せられるようになったことになります。

キャラクターが崩れない仕組み

AI画像生成には長年、編集を重ねるたびに人物の顔や服のディテールが変わってしまう「キャラ崩壊」という弱点がありました。

Nano Banana 2.1は、1回のリクエストで最大4人の人物と10個の物の見た目をそろえて保持できるとされています。これは14枚という参照画像の枚数とは別に設定された、被写体の一貫性に関する上限です。

同じキャラクターを保ったまま複数のシーンを描けることから、連続した漫画やストーリーボードの制作との相性がよいと紹介されています。

マスク編集機能自体は、実は今回が初登場ではありません。Geminiアプリには今年3月の時点で先行して搭載されており、Nano Banana 2.1ではその精度が強化された形です。

価格はおおむね半額、ただし条件あり

開発者向けのGemini API料金では、Nano Banana 2.1の画像1枚あたりの価格が、前モデルの「Nano Banana 2」から下がりました。

Googleの公式料金ページによると、1K解像度は1枚0.067ドルから0.0336ドルへとおよそ半額、2K解像度も0.101ドルから0.0504ドルへと同じく半額になっています。4K解像度は0.151ドルから0.113ドルで、下落率はおよそ25%にとどまります。

解像度によって値下げの幅が変わる点は覚えておく価値があります。高解像度の画像を多用する用途では、思ったほど安くならない可能性があります。

前モデルの「gemini-3.1-flash-image」は非推奨となり、2026年10月29日に停止される予定です。API経由でNano Banana 2を使っている開発者は、その前に移行する必要があります。

画像AI戦争における立ち位置

画像生成AIの分野は、OpenAIの「GPT Image 2」やMidjourneyと激しい性能競争が続いています。性能を測る指標の一つであるArtificial Analysisの画像生成ランキングでは、GPT Image 2が首位を保ち、前モデルのNano Banana 2は3位という報告があります。

今回Google自身が発表した社内の人間評価では、Nano Banana 2.1は思考モードを有効にした状態で1050点を記録し、Nano Banana 2の990点、Nano Banana Proの935点を上回ったとされています。

インフォグラフィックの事実の正確さを測る指標でも、0.179点から0.521点に伸びたと報告されています。

ただし、これらはGoogle自身が実施した社内テストの数字です。外部の第三者機関による検証結果は、まだ出ていません。

Nano Banana 2.1は、性能そのものでの首位奪還というより、「価格と速さ」を武器にした一手という位置づけが近いと言えます。

広告業界とGoogle検索への展開

Nano Banana 2.1は、Geminiアプリ、Google検索の「AIモード」、Google Ads、開発者向けのAI StudioやFlow、Stitchなど幅広い場所に段階的に展開されるとされています。

広告業界では、14枚の参照画像を使って商品のさまざまなアングルを1枚の広告ビジュアルに合成する使い方が想定されています。モデルを雇わずに広告素材を作れる可能性があることから、ネット通販の商品画像づくりにも早速取り入れられ始めていると報じられています。

個人的な見立てとしては、価格がここまで下がったことで、企業の広告制作だけでなく個人の趣味用途にも一気に広がりそうです。

透かし技術と残る課題

便利さが増す一方で、本物と見分けづらい画像が増えることへの懸念も根強くあります。

Googleは生成した画像に「SynthID」という透かし技術を標準で埋め込み、AIが作った画像だと分かるようにしています。ただ、この透かしは画像を加工すると弱まったり消えたりする場合があるとの指摘も一部で出ており、万能ではありません。

肖像権や著作権の扱いも、各国で議論が続いている段階です。Googleのモデルカードでは、1K解像度での小さな文字がかすれる、参照画像どおりの人物にならない場合がある、左右を混同することがあるといった既知の制限も明らかにされています。

AIリーク情報局の見立て:コードネームは外れても製品ラインは当たる

Googleの画像生成AI部門は、これまでも社内のコードネームが漏れては変わる、というパターンを繰り返してきました。

2025年12月、TestingCatalogは「Mayo」というコードネームの新モデルの痕跡を報じました。その後このモデルは「Gemini 3.1 Flash Image」に差し替えられ、2026年2月26日に「Nano Banana 2」として正式リリースされています。

コードネームは外れましたが、「新しい画像モデルが近く出る」という方向性自体は当たっていました。

今回も同じパターンがなぞられました。2026年9月24日にGoogleの動画生成ツール「Flow」のビルドに「Nano Banana 2.5 Flash」という痕跡が見つかり、9月27日には「Nano Banana 2.1」へラベルが変わったことがTestingCatalogによって報じられています。

10月5日にはFlowの画像生成メニューに一時的に選択肢として表示され、数時間後には取り下げられたとも伝えられました。その翌日の10月6日に、Google自身が公式Xでこの名前のまま正式発表しました。

この一連の流れから言えるのは、Googleの画像AIラインでは「開発ツールの痕跡が消えたり変わったりしても、製品そのものが近く出る」という点では信頼できる、ということです。

今回は名前まで変わらずそのまま正式発表にこぎつけており、リークから発表までの周期がこれまでより速くなっている可能性があります。次に同様の痕跡が見つかったときも、名前より「近く何か出る」という方向性の方を信じたほうがよさそうです。

Google「Nano Banana 2.1」に関する質問

Nano Banana 2.1はいつから使える?

2026年10月6日に正式リリースされました。Geminiアプリや開発者向けのAI Studioなどから利用できます。

ただし展開は段階的で、すべての機能が全ユーザーにそろうまでにはもう少し時間がかかりそうです。

前のモデルとは何が違う?

最大14枚の参照画像を使った合成、画像の一部だけを直せるマスク編集、4人の人物と10個の物の見た目を保つ被写体一貫性が強化されています。

価格も、解像度によっておおむね半額から25%引きの範囲で下がっています。

Nano Banana 2はもう使えない?

API経由の「gemini-3.1-flash-image」は非推奨となっており、2026年10月29日に停止される予定です。

開発者はそれまでにNano Banana 2.1への移行が必要になります。

GPT Image 2やMidjourneyと比べてどうなの?

性能ランキングの一つであるArtificial Analysisでは、現時点でOpenAIのGPT Image 2が首位を保っているとの報告があります。

Nano Banana 2.1はまだこのランキングに単独で登場しておらず、第三者による検証もこれからです。価格と機能面での差別化が今回の狙いと見られます。

AIで作った画像だと見分けられる?

Googleは「SynthID」という透かし技術を標準で埋め込んでおり、専用の確認機能で検出できるとしています。

ただし画像を加工すると透かしが弱まる場合があるとの指摘もあり、完全な見分け方法とは言えません。