公式予告

Gemini 4 Argon正式発表、一般公開の日はまだ未定

ポイント

  • Googleは2026年9月30日(日本時間10月1日未明)、次世代AI「Gemini 4 Argon」を正式発表しました
  • 一度に書き出せる文章の上限が従来の64,000トークンから100万トークンへと大幅に広がりました
  • ただし一般公開の日程は未定で、現在使えるのはサイバー防御の専門家などごく一部に限られます

Gemini 4 Argon、正式発表の瞬間

GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は9月30日、Xへの投稿で自らGemini 4 Argonを紹介しました。

ピチャイ氏は「次のモデルについて多くの議論が交わされているので、できるだけ早く最初の姿を見せたかった」と書いています。

このチャンネルでも追ってきたコード名「アルゴン」は、そのまま正式モデル名の一部として採用されました。

一方、事前の情報サイトでは「Gemini 4 Pro」という名前が有力視されていましたが、実際には「Pro」は付かず「Gemini 4 Argon」という独立した名前になりました。

Googleにとってこの秋は正念場でした。

前モデルのGemini 3.5 Proが3度にわたって公開を延期する間に、OpenAIとAnthropicは相次いで新しい旗艦モデルを出していたためです。

今使えるのは、ごく一部の専門家だけ

発表はされましたが、「誰でもすぐ使える」わけではありません。

最初に提供されたのは、Googleの「Fairwind Program」に参加するサイバー防御の専門家です。

Googleの公式X投稿によると、Fairwindの参加者には攻撃対策の歯止め(ガードレール)を外した、より踏み込んだ性能のArgonが渡されています。

このプログラムには9月3日の開始以来、CrowdStrikeやPalo Alto Networksを含む650以上の組織が参加しています。

防御側が攻撃者より先に弱点を見つけられるようにするための措置です。

Googleはアメリカ政府が任意で行う公開前モデルの検証プロセスにも参加しています。

次に使えるようになるのは、お金を払うAPI利用者と上位プラン「Google AI Ultra」の契約者です。

そのあとで開発者や企業、一般消費者へと広げる計画ですが、具体的な日付はどの段階についても発表されておらず、Googleは「できるだけ早く」とだけ説明しています。

出力できる文章の量が最大16倍に

性能面でまず目を引くのが、一度に書き出せる文章の量です。

Googleは出力トークンの上限を、従来のGeminiモデルの64,000から100万へと引き上げました。

数字にすると約16倍で、Googleはこれを業界最高水準だとしています。

長いプログラム一式や分厚い報告書を、途中で区切らずに最後まで書き切れるようになるのが利点です。

これまでは長い作業を何回かに分けて依頼する必要がありましたが、その制約が大きく緩和されます。

OpenAI・Anthropicとの比較、勝った分野と負けた分野

Googleは18種類のベンチマークのうち、12項目で首位、1項目で同率首位を獲得したと発表しています。

実務的なプログラミング作業を測る「DeepSWE v1.1」では77.9%を記録し、Claude Opus 5.5の74.2%、GPT-6 Astraの74.1%をわずかに上回りました。

業務を自動でこなす「AutomationBench」では51.3%で首位となり、Claude Opus 5.5の42.5%、GPT-6 Astraの41.4%を引き離しています。

ソフトの脆弱性を修正する「CWE-bench v1」は68%で、GPT-6 Astraと同率の首位でした。

ベンチマーク Gemini 4 Argon GPT-6 Astra Claude Opus 5.5
DeepSWE v1.1(長期コーディング) 77.9% 74.1% 74.2%
AutomationBench(業務自動化) 51.3% 41.4% 42.5%
CWE-bench v1(脆弱性修復) 68% 68% 67%
Terminal-bench 4.0(端末操作) 57.4% — 66.4%

一方で、コマンド端末を操作するテスト「Terminal-bench 4.0」では57.4%にとどまり、Claude Opus 5.5の66.4%に9ポイントほど差をつけられました。

これらの数字はGoogle自身が発表したもので、外部機関による独立した検証ではありません。

ただし分析会社のArtificial Analysisは独自の計測で、Gemini 4 ArgonがGPT-6 Astraと同水準の知能指数を、導入期間の割引価格なら約6割のコストで達成したと報告しています。

ただし割引が終わると、同じ計測でのコストはGPT-6 Astraの約1.2倍になるとしています。

自己申告だけでなく、第三者の計測でも一定の裏付けが取れている形です。

もっとも、発表の裏側では別の声も出ています。

Bloombergの報道によれば、Google社内ではベンチマークの高さほど実務で強さを感じないという従業員の声があり、特にアプリの見た目を作るフロントエンド分野の弱さが指摘されています。

Googleはこうした指摘について「過小評価するのは不正確だ」と反論しています。

Google社内ではすでに「戦力」に

Argonは一般公開前から、Google社内で実際の仕事に使われています。

データセンター全体で、ムダに使われていたメモリを300テラバイト以上見つけて空けたという報告があります。

動画を再生するソフトの部品を書き直し、以前の版より2.7倍速くした例も出ています。

量子コンピューターの研究では、これまで公開されていた基準よりも40%良い結果を出したということです。

社外でも成果が出ています。

セキュリティ会社のWizは「Scan for Good」という取り組みでArgonを使い、世界中の病院で使われるソフトの重大な脆弱性を見つけました。

これまでの最先端AIでは見逃されていた弱点だったとされています。

料金は導入期間のみ半額

開発者向けの料金はすでに公表されています。

導入期間中は、読み込ませる文章100万トークンあたり2ドル、書き出す文章100万トークンあたり10ドルです。

導入期間が終わると、読み込みが4ドル、書き出しが20ドルに上がります。

つまり最初の期間は通常の半額ということになりますが、その期間がいつまで続くのかは明らかにされていません。

一度読み込ませた文章を使い回す場合は、読み込み料金が95%引きになる仕組みも用意されています。

アプリで使う場合は、まず上位プラン「Google AI Ultra」の契約者から提供が始まる予定です。

無料プランでいつ使えるようになるかは、現時点で何も発表されていません。

リークの答え合わせと、これから

このチャンネルでは9月下旬、Gemini 4に関する7つのリークを取り上げました。

コード名「アルゴン」がそのまま正式名称に残った点は的中でした。

一方で、有力視されていた「Gemini 4 Pro」という名前は外れ、実際は「Pro」のつかない「Gemini 4 Argon」という独立した名前になりました。

公開時期についても、9月28日の投稿では10月中旬〜下旬が目標とされていましたが、実際の発表はそれより早い9月30日でした。

ただし発表されたのは専門家向けの先行提供であり、「誰もが使える一般公開」はまだ実現していません。

安全対策を強化しているという情報や、社内で試作版をテストしているという情報は、今回の発表内容と一致していました。

推論の深さを選ぶ新しい設定が加わるという情報や、開発者向けツール「Antigravity」への下準備という情報については、今回の発表では確認できませんでした。

AIリーク情報局の見立て:名前と流れは読めても、公開日は最後まで読めない

今回のリークを振り返ると、コード名や開発の方向性といった「雰囲気」を当てる精度は高かった一方、具体的な名前や日付は最後まで外れました。

これは、Googleに関するリークで繰り返されてきたパターンです。

9月24日の時点でもGoogle DeepMindの幹部は「できるだけ早く」としか語っておらず、具体的な日付は最後までGoogleの外に漏れませんでした。

参考になるのは、他社の動き方です。

Anthropicは9月22日にClaude Opus 5.5を発表した際、「Haiku 5.5は数週間以内」と予告し、実際には中位モデルのSonnet 5.5をわずか6日後の9月28日に出しています。

Googleの場合は、まず安全性を検証できるサイバー防御の専門家に絞って渡すという、他社とは異なる段階を踏んでいます。

このため、API利用者やUltra契約者への提供は今後1〜2か月のうちに動きが出る可能性が高いと見ていますが、無料の一般公開まで一気に進むかどうかは読みにくいところです。

Googleが「安全第一」の姿勢を強調している以上、慎重に時間をかける展開も十分にありえます。

API提供が始まったら、この記事で答え合わせを追記します。

Gemini 4 Argonに関する質問

Gemini 4 Argonはいつ一般公開されますか?

公式な日付はまだ発表されていません。

現在はサイバー防御の専門家への先行提供のみで、その後にAPI利用者とGoogle AI Ultra契約者、最後に一般消費者という順番が示されています。

なぜ最初にサイバー防御の専門家に渡されたのですか?

攻撃者よりも先に、守る側がソフトの弱点を見つけられるようにするためです。

実際にセキュリティ会社のWizは、Argonを使って病院向けソフトの重大な脆弱性を発見しています。

「Gemini 4 Pro」ではなく「Gemini 4 Argon」という名前になったのはなぜですか?

事前のリークでは「Gemini 4 Pro」という名前が有力視されていましたが、Googleが正式に発表した名前は「Gemini 4 Argon」でした。

社内で使われていた開発コード名がそのまま製品名として採用された形です。

料金はどれくらいですか?

導入期間は読み込み100万トークンあたり2ドル、書き出し100万トークンあたり10ドルです。

導入期間終了後はそれぞれ4ドル、20ドルに上がりますが、終了時期は未公表です。

ベンチマークの数字はそのまま信用してよいですか?

発表された数字の多くはGoogle自身の計測によるものです。

分析会社Artificial Analysisの独自計測では一定の裏付けが取れていますが、Google社内の従業員からは実務での使用感に疑問の声も出ており、実際の評価は広く使われてから定まる部分が残ります。